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もし芸人に不思議な力があったら4

1 :名無しさん:2006/01/19(木) 20:41:46
現まとめサイト
ttp://geininstone.nobody.jp/


・芸人にもしもこんな力があったら、というのを軸にした小説投稿スレです
・設定だけを書きたい人も、文章だけ書きたい人もщ(゚Д゚щ)カモォン!!
・一応本編は「芸人たちの間にばら撒かれている石を中心にした話(@日常)」ということになってま


・力を使うには石が必要となります(石の種類は何でもOK)
・死ネタは禁止
・やおい禁止、しかるべき板でどうぞ
・sage必須でお願いします
・職人さんはコテハン(トリップ推奨)
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドル・トリップを使用する事を推奨
 <トリップの付け方→名前欄に#(半角)好きな文字(全角でも半角でもOK)>
・既に使用されている石、登場芸人やその他の設定今までの作品などは全てまとめサイトにあります。
書く前に一度目を通しておいてください。

61 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:15:04
前スレ >>415-419 の続き

【21:35 都内・某TV局(美術倉庫)】

不意に緑色の亀裂から腕が伸びてきたかと思うと、その手は川元の襟首を掴む。
川元に抱えられた小沢は相変わらず身動きを取る事が出来ず、腕が川元ごと己を亀裂の方へと引き込んでいくのを止める術がない。
もちろん、この墓地のどこかにいるだろう井戸田や他の芸人達に、助けを求める事も叶いようがなく。
「………っ。」
能力を使ったせいで顔色の悪い川元が亀裂に飲み込まれる間際にぎゅっと目を閉じた、次の瞬間。
小沢達は赤い亀裂から墓地とは異なる空間に引っ張り出されていた。

その視界の急激な変化に戸惑っている最中にも川元を掴んでいた手が離されたようで、ごとりと二人は床に落ちる。
ここは屋内だろうか。何やら木製の物体が多数収められており、少し木材と埃っぽい匂いがするけれど。
「ご苦労。」
痛ぇ、と思わず小さく呟く川元に、頭上から彼を掴んだ腕の主の短い声が掛けられた。
「ついでで悪いけど、早速此処も閉ざしてくれるかな? 鬱陶しいバッタが居るんでね。」
「……僕の役目はこの人を捕まえる事、だけじゃないんですか?」
続いて投げかけられる言葉に、川元は床に座り込んだままいつものような抑揚のない口調で返答する。
一度チラリと小沢の方を向き、そして見上げられた川元の目線の先にいるのは、土田。
川元が携帯で送った合図に応じ、墓地とこの場所とを結ぶゲートを開んで彼らを呼び寄せた、張本人である。

「だから悪いけど、と言っているだろ。石を使えるほど心の力がないのだったら、黒の欠片を飲めばいい。幾らでもくれてやる。」
何故この二人が? というよりも何故自分がこんな目に? 床に転がされたままそんな考えで頭がいっぱいになる小沢の存在を無視するように
土田は近くにあった背もたれのない椅子まで歩いていきながら、川元に対し少し苛立ちの混じった口ぶりで告げ
それとも、と付け加えた。
「お前の大事なオトモダチ連中が揃って『白』の連中への鉄砲玉に使われても良いんだな?」

62 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:18:17
「……それは脅迫、ですか。」
緩慢な仕草で立ち上がり、ボトムに付いた埃を手で払いながら川元は土田に答える。
ボソボソとした口調の彼にして珍しく、露骨にトゲのある口ぶりで。
「…そう捉えて貰っても構わねぇ。」
そんな川元の態度には構わず、椅子に腰掛けて大仰に足を組んで。少なくとも、こちらにはその権限があるからな、と土田は薄く笑った。
しかし目だけは笑っていない、土田のその表情に川元はしょうがないですねと言わんばかりに軽く肩を竦める。

「……まぁ、僕としてはあいつらが無下に扱われようが別にどうでもいいんですけどね。」
逆にそっちの方が、この『白』と『黒』のくだらない争いから離脱できるんだから。
続きはさすがに口には出さないながらも、そうぼそっと呟きながら川元は右腕を目線の高さまでもたげた。
その指先には彼の石、ウンバライトと同じ赤い輝きが点っており、その光は腕の動きに従って虚空にスクエアを描く。
「……この空間を、閉ざせ。」
川元がそう命じると同時に空中に描かれたスクエアはストンと床に落ち、小沢の動きを封じた時と同じように拡大していけば
一辺が5mほどになった所で今度はそれぞれの角から床から垂直に紅い光が伸びはじめた。
やがて天井近くでも赤い柱の先端を繋ぐように正方形が描かれ、またたく間に倉庫の中に三人を内側に包む立方体が出現する。

「……これで良いんでしょう?」
「…済まない。」
赤い立方体が作られたのを目で確認し、ぼそりと呟く川元に今度は先ほどとはうってかわった穏やかな口調で土田は声を投げかける。
その変貌ぶりにフン、と川元は苦しげながらも小さく鼻で笑った。
「……それじゃ小沢さんの方を解きますんで、後はどうぞご自由に。」
そう告げ、力尽きるように川元が膝から崩れ落ちるのと同時に。
川元のウンバライトの力によって閉ざされていた小沢の全身の感覚が急速に取り戻されていった。

63 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:20:07

「一体全体、これは…どういう事ですか。」
感覚が戻った、と察すると同時に両手を床について小沢は身を起こし、立ち上がる。
「石は、渡しませんよ。」
土田に問いかけながらも無意識に付け加えられる言葉は、『白のユニット』の人間として石を狙われ続けた末の口癖みたいな物だろうか。
ボトムのポケットからアパタイトを取り出し、握りこむ小沢のその動作に、土田はふっと苦笑を浮かべた。
「…安心しろ、そのつもりで呼んだンじゃない。」
椅子に腰掛けた何様だと言わんばかりの体勢のまま、土田は小沢へ落ち着くよう手で仕草して。
「今日は…個人的に。そう、土田 晃之一個人としてお前…君に…小沢 一敬くんに頼みたい事があるんだよ。」
「その割には随分と乱暴な手を使いますね?」
妙に改まった口ぶりで告げる土田に、小沢はすかさず言葉を返した。
それも当然だろう。今さっきの土田と川元のやり取りを聞く限り、明らかに二人は何かしらの上下関係こそあれ手を組んでいるようだったし、
そうして考えると、川元が墓地の通路から外れるよう小沢に促したのも、そもそも川元が小沢と組もうと話しかけてきた事も。
全て何かの策略に則っての事に思えてならない。

「不作法なのは承知の上だ…それに、しかたねぇだろう。『黒』のやり方に馴染んだ身じゃ、『黒』の流儀でしか物事を運べない。
 人に手助けを頼もうにも、何せ回りには『黒』の連中しか居ないんだしな。」
ふぅ、と一つ息をつき、土田は余りにもあっさりと己の所属する組織…小沢のそれであるそれと相反する『黒』の名を口にする。
そのさりげなさに思わず息を呑む小沢に構わず、更に、なぁ? と付け加えるように土田に同意を求めるがごとくに呼びかけられ、
うずくまっていた川元は顔をもたげると、余計な事を、とでも言いたげに土田をにらみ返した。

64 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:21:41
つまりは川元もまた『黒』の側の人間だと言外に告げながら、土田は返ってくる視線には構わずにフフと笑い、
小沢の方へ向き直すとそのまま言葉を続ける。
「それに、これは俺達『黒』のみならずお前達『白』にも関係のある事だからさ。わかって貰えると信じてるんだけどな。」
「……………。」
柄にもない真剣な話を切り出そうとしているからか、それとも他の要因からか。どこか芝居ががった印象がない事もないけれど。
一応は敵対するつもりがない事を示す、土田の言葉。
その一方で小沢の手の中からは解けるどころかいっそう増す彼の警戒心を反映するかのように、アパタイトの淡い輝きが周囲にこぼれおちる。

「今更信じてる、だなんて随分勝手な物言いです事で。」
いつもそっちが何をしているのかわかっていて言っているんですか? それは。
眉をひそめ、石から光を放たせながら。小沢は土田にそう言った。
「そもそも、僕に頼みがあるなら堂々とすればいいじゃないですか。」
土田を見据える小沢の視線が、一瞬彼らを包む深紅の立方体に向けられる。
「こんな真似までされて、素直に話を聞けると思いますか?」
聞ける筈がない、とくぐもった声が徐々に力強さを帯び、それに比例するようにアパタイトの青緑の輝きも強まっていく。

「だから僕の答えはこうです。『そんな事よりパーティ抜け出さない?』」

土田の返答を待たず、小沢は言霊を紡いで、パチリと指を鳴らした。
アパタイトの放つ光が小沢の身体を包み、ここではない場所へと小沢を運ぶべく、秘めた力を発揮する……
……筈だったのだけど。

65 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:24:32
「……っ!」
いつもの感覚と異なり、不意に全身に衝撃が走って、小沢は思わず声にならない呻き声を上げた。
まるで壁に叩きつけられたかのような痛みに続き、固い床に投げ出されるような感覚を覚え。
間もなく青緑の輝きが視界から晴れれば、彼の倒れている場所は石を使う直前に立っていた場所から数mも離れてはいない。

「なに…これ…」
「逃げようとしても無駄だよ。」
再び床に転がる羽目になり呆然としたように呟く小沢に、さっきより少し遠くに見える土田が声を掛けてきた。
「この立方体の中は今、川元くんが外界から『閉ざして』いるからね。外から中に入れないし、中から外に出る事もできない。」
傍らの川元の方にまた視線をやり、土田は小沢に説明する。
その言葉を耳にしながら何とか再度立ち上がり、姿勢を整えると小沢はふぅと一つ息を吐いた。
そういえば、先ほど川元が石を使った際に彼は『身体の感覚を、閉ざせ』と命じていた。
そしてこの自分達を包む立方体を作り出す時も『閉ざす』よう、川元は口にしていたはずで。
……彼のウンバライトは何かを閉ざす力を秘めている、という事か。
まだテレポートに失敗した時の痛みが引かず、幾らか頭がぼんやりする中で小沢は何とかそう判断する。

「って事だから、君は否応なしに用件を聞かないといけない訳だ。」
まぁ、こっち2人を倒すって選択肢もあるけど。好きじゃないだろう? そういうのは。
土田は小沢にそう言うと、組んでいた足を解いて自分の方へ近づくように手招きをした。
確かに川元が石を用いた反動で疲労してはいても、この場にいるのは『黒』が2人に『白』が1人。
戦いになれば2対1となるのは自明の事。どちらが勝つにせよ、小沢も無事ではいられないだろう。


66 :Phantom in August  ◆ekt663D/rE :2006/01/25(水) 22:26:10
それでも先制するべきか、否か。
考えながら一歩土田の方へと足を進める小沢の耳に、彼の内心に気づいているのかいないのか。土田の言葉が届く。
「来いよ。警戒するのは勝手だし、手荒な真似をした事は素直に謝る。でもこれ以上は何もしない。
 今夜は『白も黒も関係ない』って設楽さんと約束してンだろ?
 だから今夜、俺も『白も黒も関係なく』お前に頼みがしたいってだけなんだから。」
「………っ?」

「つまりはさ、俺と一緒に『白い悪意』…奴のホワイトファントムの弱点になるような石を探して欲しい。そういう事。」
重ねて届いた言葉に、小沢はハッとして土田の方を見やり、彼の手より相変わらず漏れるアパタイトの輝きからもスッと警戒の色が、消えた。



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