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もし芸人に不思議な力があったら4

437 : ◆uAyClGawAw :2006/03/25(土) 12:02:08
その手に握られているのは映画などで良く目にする柄の部分が1メートル以上もある長斧。
先程までは何も持っていなかったし、こんな場所に長斧なんて洒落た武器があるはずもない。
それよりも、藤田は床に振り下ろされた斧の先が気になった。
直前に身を捻ってかわしたことで斧は小道具が無造作に詰め込まれている木箱を派手に叩き割った、筈だったのだが。
木が割れる音も無く、やけに静かだった。
中田が力を入れるわけでもなく、すうっと斧を持ち上げる。木箱には傷一つ付いていなかった。
その時また新たな事実に気付く。
視界を横切った筈の斧の広い面を通して、向こう側の大村の顔が見えたのだ。
大村も同じように斧の向こう側にいる相方の顔が見えたのか、目を頻りに擦っている。
「透けてる…。」
凶器の持つ独特の禍々しい気配もない、ボンヤリと半透明の斧はまるでこの世に“存在しない物”のように思えた。
―――幻か?
まず最初にそう思った。
それなら今度こそ、顔面パンチを食らわせてやろうではないか。
再び構えるよりも先に、あの半透明の斧が真横に一閃された。
ハイテクのCG画像のように、斧は藤田の腹筋をサッとすり抜けた。
「何だよこんなもん……、っ…!?」
突然、藤田が腹を押さえてくの字に身体を曲げた。
「藤田!?」
「痛てぇ!!」
訳が分からず目を白黒させている藤田の額には汗がびっしり浮かんでいる。
まるで本当に腹を斧で切られたかのような痛がりようだった。
痛みだけ伝える“幻”だと、大村は即座に理解する。勿論、藤田の身体には外傷の一つもないし、血が出ているわけでもない。
だがこれだけ盛大に痛がっているところを見ると、どうやら本物の斧で腹を切り裂かれたよりも幾分か威力は低いようだ。
痛みが治まってきたのか、半分涙目になりながらも壁沿いに藤田が立ち上がる。


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